チアゾリジン薬とは?効果・効能、副作用は?【糖尿病の飲み薬】

薬物療法 インスリン

インスリン抵抗性改善薬の一種であるチアゾリジン薬

一概に糖尿病薬といってもその作用機序はさまざまであり、その治療薬の選択は患者それぞれの病態に対応して使用されます。

インスリン分泌能低下を主な病態とする時にはインスリン分泌促進薬が、高血糖を治療対象とする時には糖吸収調節薬が選択されるように、インスリン抵抗性の増加が主な病態である時にはインスリン抵抗性改善薬が使用されます。

今回はインスリン抵抗性改善薬の一種であるチアゾリジン薬について解説していきたいと思います。

インスリン抵抗性とは

インスリン抵抗性という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
インスリン抵抗性とは組織においてインスリン感受性が低下し、血中のインスリン濃度に見合った効果を得られていない状態を指します。

インスリンが各組織の細胞に結合すると、糖輸送担体(GLUT4)が働き、細胞が血液中の糖を取り込むことによって血糖値の下降を示します。

しかしなんらかの原因でインスリン抵抗性が亢進してしまうと、各組織におけるインスリンの感受性が低くなり、細胞は糖を取り込みにくくなります。

この結果高血糖となります。

チアゾリジン薬の効果・効能

インスリン抵抗性増大の原因の一つに肥満があります。

脂肪組織は単に脂質を貯蔵するだけでなく、さまざまなアディポサイトカイン(液性因子)とよばれる生理活性物質を産生する働きがあります。

非肥満時の脂肪組織においては、小型脂肪細胞が代謝上善玉であるアディポネクチンを産生します。
アディポネクチンは脂肪酸の消費を促進し、インスリン感受性を高める働きをもったアディポサイトカインです。

一方で肥満時の脂肪組織においては、大型脂肪細胞から代謝上悪玉であるTNAαやFFAなどが産生されます。
これらはインスリン刺激によるGLUT4の細胞膜上への移動を阻害し、インスリン抵抗性を増大させる働きをもったアディポサイトカインです。

つまり肥満による脂肪細胞の肥大がインスリン抵抗性の増大に大きく関与しているわけです。

チアゾリジン薬は小型脂肪細胞を増殖させることを目的とした医薬品になります。

チアゾリジン薬は主に脂肪細胞に分布しているPPAR-γ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)に結合し、刺激します。

PPAR-γは小型脂肪細胞への分化誘因作用と肥大した脂肪細胞のアポトーシス(細胞死)を促す作用をもっており、チアゾリジン薬によってPPAR-γが刺激されるとその作用が強くなり皮下における小型の脂肪細胞の割合が多くなります。

その結果、小型脂肪細胞から産生されるアディポネクチン(善玉)は増加し、大型脂肪細胞から産生されるTNF-α・FFA(悪玉)などは減少するため、相対的に善玉と悪玉のバランスがとれ、インスリン抵抗性が改善されます。

チアゾリジン薬のメリットとデメリットは?

チアゾリジン薬はインスリン分泌を増殖させるわけではないので、単独使用では低血糖を生じにくいという利点があります。

また血管壁に作用することで、コレステロールの引き抜き効果や、抗炎症作用を示すので、心血管疾患に対する予防効果を持っているとも言われています。

しかし、その一方で体重増加(皮下脂肪が増えるため)をきたしやすいので、内服中もしっかりと食事療法・運動療法を続けることが大切になってきます。

また女性においては骨折のリスクが高くなることも知られており、チアゾリジン薬を使用すると使用してない群に比較して、1.6倍程度骨折リスクが上昇しているという研究結果もあります。

さらには女性における浮腫の発症頻度も高く、循環血症量が増加すると心機能に影響を与える恐れがあるため、心不全患者および心不全の往来歴のある患者には使用禁忌です。

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