糖尿病性網膜症の症状や治療法は?【糖尿病の合併症】
失明原因の20%ほどが糖尿病性網膜症によるもの
糖尿病は主にインスリンの作用不足もしくは分泌不足によって、血糖値のコントロールができなくなり、慢性の高血糖となってしまう疾患です。
糖尿病の恐ろしいところの一つは単に高血糖になってしまうというだけでなく、それに伴い多くの合併症を患うという点にあります。
糖尿病性網膜症は、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害とともに三大合併症としてしられている疾患です。今回はこの糖尿秒性網膜症について解説していきます。
・糖尿病性網膜症の全体像
糖尿病性網膜症は糖尿病患者の増加とともに増加傾向にある疾患です。
過去の調査から糖尿病患者のうち、三割を超える人々が糖尿病性網膜症も罹患していると考えられ、合併症の発症率が非常に高い疾患です。
厚生労働省の資料によると後天性の失明原因としても、緑内障に次いで二番目に多い疾患であり、およそ失明原因の20%ほどが糖尿病性網膜症によるものです。
網膜は人間の眼球においてもっとも内側にある厚さ約0.2mmの膜組織です。
網膜はカメラでいうフィルムの部分に相当し、外界から入ってきた光を受け取り電気信号として視神経を通し、脳に情報を伝える働きを持っています。
網膜上の血管は非常に細いので、糖尿病における慢性の高血糖が続いてしまうと激しい損傷を受け網膜血管障害を生じます。
その結果、網膜や硝子体に多彩な病変を呈し、最悪の場合は失明にまで至る病気です。
糖尿病の病態
糖尿病における高血糖下では、プロテインキナーゼC-β(PKC-β)の活性化、ポリオール代謝経路の亢進、非酵素的終末糖化産物の蓄積などが生じ、これらの代謝異常が糖尿病性網膜症に影響を与えることが明らかになっています。
また代謝異常によって発現が促される血管内皮増殖因子(VEGF)というサイトカイニンには血管透過性を亢進させる作用があり、様々な病態を発症するきっかけとなります。
糖尿病性網膜症の病態には様々な分類がありますが、今回はDavis分類に従って解説していきます。
Davis分類では網膜症病期を軽い順から、単純網膜症、増殖前網膜症、増殖網膜症に分類しています。
単純網膜症
糖尿病網膜症ではまず血管障害や毛細血管周皮細胞の脱落・変性が生じ、毛細血管の一部に瘤ができます。
この瘤のことを毛細血管瘤といい、直径10~100μmの赤色病変として観察されます。
毛細血管瘤もしくは障害された網膜血管ではVEGFの血管透過性亢進作用の影響もあり、血管外への血漿成分の漏出が生じ、漏出は点状出血や網膜浮腫をきたします。
漏出された血漿成分は通常網膜血管から吸収されますが、この過程でタンパク質や脂質が網膜に沈着すると黄白色を呈する硬性白斑を形成されます。
増殖前網膜症
さらに症状が進むと血管内に血栓が生じ、毛細血管の閉塞や軟性白斑、網膜内細小血管異常が確認されるようになります。
こうして網膜の虚血状態が進行するとVEGFや炎症性サイトカイニンの働きにより、血管新生が促されます。
増殖網膜症
網膜血管から生じた新生血管は硝子体側に進行し、硝子体出血の原因になります。
また虹彩や隅角側に毛細血管が進展してしまうと、房水の流出路の閉塞につながり眼圧上昇をきたします。
これが血管新生緑内障です。さらに網膜-硝子体の境界面には、新生血管を含んだ繊維血管性増殖組織が形成されます。
この増殖膜が収縮をすると、牽引性網膜剥離を生じます。
これらの状態まで病態が進行してしまうと重篤な視力障害を生じてしまいます。
治療法
治療法としては大きく分けて、内科的治療と外科的治療の二種類があります。
内科的知慮法とは糖尿病の治療すなわち血糖のコントロールになります。
そもそもの原因である血糖のコントロールは糖尿病性網膜症の全病期において非常に有用で重要な治療になります。
しかし、インスリン投与などによる急激な血糖の低下は網膜症の悪化をきたすこともあるので緩徐に行う必要があります。
一方で増殖前網膜症以降の病期にあたっては光凝固療法や硝子体手術などの外科的治療も行われます。
網膜症では初期では自覚症状がないため、治療が手遅れとなってしまうケースが少なくありません。
したがって、たとえ自覚症状がなくとも糖尿病と診断され場合は定期的に眼科受診を行い、早期発見・治療に努めることが大切です。
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